さまざまな事情から、マンションを手放したいとお考えでしょうか。せっかくマンションを売るのであれば、できるたけ高い金額で売りたいですよね。
マンション査定のポイントを抑えておけば、より高額でマンションを売れるかもしれません。このコラムではマンション査定で評価されるポイントや査定額アップのテクニックについてご紹介していきます。
また、マンション査定のおおまかな流れや必要書類、よくある質問についても解説するので、マンションを売却しようとお考えの方はぜひとも参考にしてみてください。
目次
マンションを売却するとき、査定ではどんなことが評価されるのでしょうか。17個のポイントにまとめましたので、参考にしてみてください。
〇立地
立地は、マンションの査定の中でも最も評価が大きいポイントです。とくに駅からの距離は重要で、駅から徒歩7分以内なら高評価になります。最寄り駅については、どんな電車が停まるのかによっても評価が違ってきます。複数の路線に近いことも高評価です。
そのほか、学校や保育園、公園などの子育て環境や、買い物の利便性なども評価の対象です。病院、郵便局、銀行などがあるとさらに高く評価されます。
〇事件や事故
マンション内で殺人や自殺、事故死などの事件や事故があった場合は、売り主はそれを告知する義務があります。査定にも影響しますが、売れないとは限らないので告知するようにしましょう。
〇近隣の開発計画
近隣の開発計画も、査定に影響します。鉄道が開通すれば価格が大きく上がる可能性が高いです。また、レジャー施設などができる、大手企業の支社ができるなど、人口が増えそうな計画がある場合も大きなプラスポイントです。
〇近隣トラブル
近隣トラブルは、ないほうが査定の評価がよくなります。しかし、なんらかのトラブルがある場合は内容によっては告知義務が生じることがあるのです。
よくある例が、「生活音がうるさい」という苦情が入ったり、それが原因でトラブルになったりした場合です。このような近隣トラブルがあった場合は、査定の際にしっかり伝えておかないと賠償責任が発生するおそれがあるため注意してください。
〇騒音や匂い
マンションが大きな道路の近くにある場合は、騒音で査定評価がマイナスになることがあります。とくに、夜中に大型トラックなどが走る場合は壁や窓ガラスの防音性能をチェックされることになるでしょう。
匂いについては、ペットを飼っていたりゴミを放置していたりしてリフォームしても匂いが取れないような場合は、減額の対象になります。
〇管理人の有無
マンションは基本的に、管理が行き届いているほど評価が上がります。そのため、管理人が常駐していると、マンションの管理がしっかりおこなわれているとされてプラス評価になります。
〇保守やセキュリティ
マンションのセキュリティ面では、オートロックかどうか、監視カメラがあるかどうかなどがポイントです。
〇共有設備のグレード・劣化
共有設備として宅配ロッカーやペットの足洗い場、エントランスの歓談スペースなどが設置されていると高評価になります。
また、共有設備が劣化していないかどうかも査定の対象です。大規模な修繕工事をおこなったばかりだと、評価が高まります。エントランスや廊下などの共有部分に高級感がある場合なども高評価になります。
〇駐輪場や駐車場
駐輪場や駐輪場の状態も評価の対象です。「台数が十分にあるかどうか」「希望者が利用できるかどうか」「平面式なのか機械式なのか」によっても違います。さらに駐輪場や駐車場を使用するときにかかる費用、徒歩圏内に月極駐車場があるかどうかなどもポイントです。
〇耐震性
近年では耐震性が重要視されています。1981年6月1日以降に建築許可が下りた物件は「新耐震基準」が適用されていますが、それ以前の物件は耐震性に不安があるため評価が下がります。ただし、耐震補強工事をしていればその点が考慮されるでしょう。
〇部屋の状態や築年数
部屋の中の状態ももちろん評価の対象です。とくに水回りや床、壁紙の傷み具合が築年数に相当しているかどうか評価されます。しかし、ある程度の築年数のマンションでは、水回りや壁紙はリフォームをすることが前提となるため、それほど大きな減額にはならないでしょう。部屋の汚れについては、掃除して落ちるものであれば問題ありません。
なお築年数は、浅いほど人気にはなりますが、先ほどの耐震基準をクリアしているかどうかが重要になります。
〇階数や方角
階数は3階以上が高評価で、上の階になるほど値段も高くなります。方角は、南向きが人気です。
〇角部屋
部屋の位置としては、角部屋だと採光もとりやすく、室外機なども設置しやすいため、評価が高くなっています。
〇眺望
部屋やバルコニーからの眺望がよい物件は人気があります。夜景がきれいで高層階になると、かなり高額査定が期待できます。近くに高層マンションの建設予定がないかどうかまで査定に関係することがあります。
〇リフォームや修理の有無
古い物件でも、リフォームがおこなわれていることでプラスの査定になります。ただし、リフォームにかかった費用がそのまま査定額として上がるわけではないので、査定のためにわざわざリフォームしておく必要はありません。
〇時点修正
これは売り主の努力には関係ないポイントになりますが、マンション査定の際には時点修正というものがあります。新築時から何年経っているか、過去の取引ではいくらかということを参考に現在の価値が算出されるのです。周辺環境や地価に変化があれば、それも考慮されます。
〇競合物件の有無
条件が似ている物件を競合物件といいます。同じマンションの別の部屋もこれに含まれます。価格が比較されやすいですが、それぞれ事情もありますので適正価格を見極めることも必要です。
査定のポイントはおわかりいただけたでしょうか。しかし中には、自分では改善できないポイントもありそうですね。そのような場合はテクニックを駆使することによって、査定額をアップさせることができるかもしれません。ここでは、好印象を与えるテクニックをご紹介します。
マンションの内覧でまず目に入るのは、リビングであることが多いでしょう。このリビングを広く明るく見せることが、好印象を与えるには重要です。
家具などで視界を遮って閉塞感を与えてしまわないようにし、リビングを広く見せるようにしてみましょう。コンパクトな家具を置いておくと、広く明るい開放感のあるリビングを演出しやすくなります。
しかし、小さなリビングでコンパクトな家具ばかり置いていると逆に「こぢんまりとした家具しか置けないリビング」という印象を与えかねません。部屋の大きさに合わせた家具をバランスよく配置するように意識しましょう。
また、部屋の色使いも重要なポイントです。部屋全体が明るく見えるように明るい色の家具を置いたり、暖色系を使って親しみを出したりと工夫することができます。落ち着いた色を使う場合は、部屋にメリハリがつくようにするとより好印象になります。
リビング以外では、水回りの清潔感も大きなポイントです。水垢やカビなど排除できるものは排除し、清潔で使いやすい水回りを作りましょう。
好印象を与えたいといっても、マンションの査定のためにわざわざリフォームやハウスクリーニングをする必要はありません。ただし、致命的な損傷があると値引き対象になります。簡単に直せるのであれば直しておくことをおすすめします。
マンションの査定は段取りが多いため、手間だと感じる方もいる方もいるのではないでしょうか。そのため、査定を一社だけに任せて、その会社の出した査定額でマンションを売却してしまうという方も少なくありません。
しかし、マンションの査定額は不動産業者によって大きく異なります。不動産によっては、査定額に数百万円の差がつくことも珍しくないです。そのため、査定は複数社に依頼して、それぞれの査定額を見比べてから売却する不動産を選ぶことをおすすめします。
マンションの売却を検討している方の中には「複数社査定は面倒……」「別々の不動産に査定してもらう時間を確保するのが難しい」という方もいるかもしれません。そのような方におすすめなのが「不動産売却査定君」のサービスです。
このサイトでは、一度に複数の業者に簡易査定を依頼することができます。24時間365日いつでも受付できますので、まずは簡易査定を依頼してみてください。「不動産売却査定君」で複数社査定をして、少しでも高くマンションを売却しましょう。
マンションの査定は、実際にどんな流れで行われるのでしょうか。査定方法や金額の算出方法までご紹介します。
査定を依頼する業者を決定したら、次に紹介するような査定方法のいずれかで査定がされます。査定方法によって金額が算出され、納得したら、売却を依頼するときに結ぶ「媒介契約」を締結します。
査定の方法は次の2タイプがあります。
○簡易査定
机上査定ともいわれ、実際に物件を見ることはせず、机上で価格を計算することです。周辺の取引事例や公示価格、基準価格、路線価などを参考にして査定がおこなわれます。簡易査定ともいわれ、物件のおおまかな価格を知ることができます。
○訪問査定
机上の計算だけではなく、実際の物件を見て査定する方法です。外観の劣化や内部の傷み具合はもちろん、周辺環境も査定されます。
まずは簡単な簡易査定をして相場を確認するのがおすすめです。その上で、より正確な金額を知ることができる訪問査定を依頼しましょう。
査定金額の算出には、3つの方法があります。それぞれの特徴は次のとおりです。
○原価法
建物として現時点で新築した場合の価格から、築年に応じた原価修正をおこなって価格を求める方法です。
○収益還元法
対象不動産が将来生み出すであろうと予測される純収益の現在価値の総和を求め、試算価格を求める方法です。
○取引事例比較法
査定する不動産と条件が似ている物件の成約事例を探し、売買された時期や立地条件のちがい、物件の個別性などを比較して価格を求める方法です。マンションではこの取引事例比較法が多く採用されています。
マンションを査定してもらうときは、事前の準備も大切です。準備のポイントをまとめていきます。
まずは、書類の準備をしましょう。準備するのに時間がかかるものもあるかもしれませんので、余裕を持ってそろえておくと安心です。必要な書類の例は次のとおりです。
不動産によっては、上記以外の書類を求められるケースがあるため、査定前にしっかり確認しておきましょう。また、マンション分譲時のパンフレットや耐震診断/地盤調査報告書などがあるとより査定がスムーズに進んだり、評価が上がったりするケースもあります。
不動産にマンションの情報を話す際は、事前に情報を整理してメモなどにまとめておくと、要点を伝えやすくなります。メリットをまとめておき、不動産にしっかり伝えることができれば査定額アップにつながるかもしれません。
また、デメリットも内容によっては告知義務が発生するものもあるため、不動産とのトラブルを避けるためにもしっかりまとめて査定の際に伝え忘れがないようにしましょう。
査定の際は、さまざまな内容を聞かれます。ヒアリングに対する受け答えは、マンション売却を成功させる上で重要です。聞かれると予想される内容をいくつかご紹介するので、これを元にしっかりと受け答えできるようししましょう。
マンション査定についてここまでご紹介してきました。最後に、よくある質問について回答をまとめておきます。ぜひ参考にしてみてください。
査定価格が必ずしも販売価格になるわけではありません。査定価格はこれまでご紹介した方法で決定されますが、最終的には売り主が販売価格を決めます。中古の不動産では値引き交渉がされることが多いので、査定価格より少し高く販売価格を設定するとよいでしょう。ただし、高額にすると売れ残ってしまうこともあるので、業者に相談して決めることをおすすめします。
ローンが残っていても売ることはできるのです。一般的な売却では、売却の代金をすべてローン返済にあて、足りない差額分は現金で支払うことになります。また、住み替えなら、住み替えローンを利用することもできるのです。
それ以外には、任意売却や競売という方法もあります。任意売却とは、抵当権の解除を承認してもらって売却することです。それが難しいと競売になります。競売とは、裁判所が所有者に代わってオークション形式で購入者を決定するものです。
査定額はなるべく高くしたいものですが、他の業者よりもあからさまに高い金額を提示してくる業者には注意が必要です。査定では高い金額を提示しておきながら、契約後にかなりの値下げをして売却しようとする悪質な業者もいるからです。
悪質な業者を見分けるために、自分でもしっかりと相場などを調べ、査定額が出たらその根拠について納得のいく説明をしてもらいましょう。
悪質な業者でなければ、査定額にはしっかりとした根拠があります。それでも、査定額にはばらつきが出てきます。なぜなら、業者によって査定基準が違ったり、今までの売買経験が違ったりするからです。とくにその地域の売買実績が少ない場合は、業者の独自の判断となる部分が大きく、査定額のばらつきが大きくなりやすいでしょう。
信頼できる業者を見極めるポイントは、業者そのものと営業マンの両方を見る必要があります。業者については、ホームページなどで宅建業免許番号を確認し、番号の更新回数が多ければ実績が長いという判断をすることができます。また、団体に加盟していることも審査基準を満たしているという点で信用をすることができます。
営業マンについては、宅地建物取引士の資格を持っているかというのも1つの判断材料になります。ただ、それだけではなく実際に会ってみて、販売方法や計画などについてしっかりと話をしてくれるかなど、しっかりと判断しましょう。
マンションの査定で評価されるポイントは、物件そのものや周辺環境などさまざまです。査定額をアップするために、できることはしておきましょう。また、書類なども余裕を持ってそろえておくと安心です。
さらに、業者によって査定額は違ってくるため、信頼できる業者を見極めることが大切です。自分が信頼できる業者に査定してもらい、快適なマンションの売却を実現させましょう。